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エレンちゃんのハッピーサマーおちんちんホリデイ





 八月も半ばを過ぎた。夏休みを謳歌しているエレンに、母は「自由研究はもうやったの?」と訊いてきた。エレンは答えあぐねた。まだだったのである。アルミンやミカサと三人で、算数や漢字のドリルは終わらせたものの、自由研究……自由になにを研究すればいいのやら。エレンは途方に暮れていた。
「エレンの興味のあるものを調べればいいんだと思うよ」
 友のアルミンは、とっくに宿題は全て済ませたようで、エレンにそう助言した。アルミンの自由研究を見せてもらったが、親の出張についていき、全国四か所の海辺から集めた貝殻採集の箱と、図書館で調べたそれぞれの名前や形状の特徴をまとめたレポートだった。流石アルミン、手が込んでいる。
 アルミンの家からの帰り道、自分の興味のあるものはなんだろうと考えた。
「リヴァイさん、こんにちは」
 時間もまだ昼過ぎだったので、エレンは家の前を通り過ぎて、隣に住むリヴァイの家を訪ねた。
「どうしたエレン。夏休みの宿題に困って泣きついてきたか」
 お隣さんというのはこういうとき困るもので、とっくにエレンの自由研究がまだ済んでいないことを母から聞かされていたのだろう、顔を覗かせて開口いちばんにリヴァイに言い当てられて、エレンは恥ずかしくて目を逸らす。
「なにを調べるかは決めたんだ。だけどオレひとりじゃ難しくて……、リヴァイさん、協力してくれる?」 「オレにできることならな」
 夏休みの最中ですっかり曜日の感覚が遠のいていたエレンだが、今日が日曜日でリヴァイが在宅していて助かった。エレンは胸を撫で下ろしながらリヴァイの家に上がらせてもらった。
 からん、と麦茶に入れられた氷が涼やかな音をたてる。
「で、なにを調べるつもりなんだ?」
 夏の日照りに晒されて、うなじがひりひりと痛い。汗をかいた体に、麦茶の冷たさはよくしみた。エレンはその咽喉越しを堪能するために、リヴァイからの質問に答えるまでに一呼吸置かなければならなかった。
「おちんちんについて調べようと思うんだ」
「……ハ?」
「アルミンが、オレの興味あるものを調べればいいって。オレもう十才だろ。そろそろ大人ちんちんになるんじゃねぇかなって待ってるんだけど、まだだからさ。大人ちんちんについて調べようと思って」
 小学校で性教育は習ってきたらしい。ひそかに体の成長を楽しみにしている姿は微笑ましいが、なにぶんそれを自由研究にしようとするのはいただけない。
「エレン、それは……」
 やめて違うものを調べたほうがいいんじゃねぇか。リヴァイはそう言いそうになって、はたと言葉を止める。目線はエレンのうなじに張り付いた猫毛にくぎつけだった。ふと、エレンにはまだ毛が生えていないんだと実感する。あともう少しで、下の毛も生えそろって、声変わりもして、あっという間に大人になるだろう。そのとき、「隣のお家のお兄さん」であるリヴァイに対する憧憬や親しみなんて、遥か彼方に忘れさっているだろう。彼女だってできているかもしれない。いまのエレンを余すことなく堪能できるのは、いまこのときだけなのだ。ごくりと、咽喉が鳴る。
「リヴァイさん? 協力してくんねぇの?」
 エレンが首を傾げて、その黒い艶やかな猫毛がさらりと揺れた。汗でうなじに張り付いた後れ毛だけはそのままに。
「いいだろう。協力してやるよ」
 お前の自由研究に。そう頷いてやれば、エレンは嬉しげにはにかんだ。



 エレンが学校でも使っている筆箱から取り出したものは定規だった。
「データを取るのは基礎だってアルミンが言ってたから」
 そう説明して、下穿きを脱いで胡坐をかいたリヴァイの中心に、定規を沿える。すこし動けば幼い手が触れてしまいそうな距離で、しかもエレンが股間を覗きこんでくるものだから、リヴァイのペニスはむくむくと頭をもたげていく。
「リヴァイさん、どんどん大きくなっているんですけど……、正確なデータが欲しいのでいつものサイズにしてください」
 測りにくそうに手の位置を変えるエレンは、最初の段階からうまくいかないので眉間に皺を寄せている。さていつものサイズとはどれだろうか。リヴァイは思案した。通常時のサイズと言えば、勃起時のデータはふさわしくないのだろう。だがエレンを前にすればリヴァイはだいたい勃起するので、「いつもの」と言えば間違っていないのかもしれない。間違っていないことにする。
「エレン、測りにくいならしっかり支えろ」
「こう?」
 定規を持っていない方の手で、エレンがリヴァイの勃起したペニスを掴む。竿を持つ手はさきほど麦茶を飲んでいたためひんやりと冷たい。リヴァイの上がる体温には心地よい。
「もっと上の方を持てるか?」
 リヴァイに言われるままに、エレンが亀頭を掴む。
「どんどんでっかくなってるし、赤くなってきた」
 興味深げに覗き込むエレンのまなざしには好奇心しかなく、晒された視線がくすぐったい。
「これオシッコの穴だろ? ぱくぱく開いてる。測ってもいい?」
 指先でつんつんと突かれて、先走りの液が滲むのを抑えられない。大人はオシッコの穴もでかいんだなと呟いていたエレンが、指先を濡らした液体にびっくりして手を引いた。
「こら、しっかり調べるんだろ」
「うん……」
 リヴァイに叱咤されて、再びエレンが無知の手を伸ばす。
「エレンはまだ子どもちんちんなのか。自分のちんちんと比べることで、分かることもあるんじゃないのか」
「あっ、そうか。流石リヴァイさんだな」
 疑いもなくハーフパンツを下着ごと下ろすエレンに、その膝小僧を舐めるように見ながら本当にこいつはこの先大丈夫なんだろうかと、リヴァイは微かに不安に思う。だがまだ毛の生えていない、日にも焼けてない白くつるんとした肌に、未成熟な性器を眼前にして、リヴァイはまあ良いかとその不安を流した。大丈夫じゃなければ自分がなんとかすればいいのだし、ここまで来たら骨までしゃぶろう。責任も取ろう。
「エレンのちんちんは何センチだ」
 転がっていたエレンの定規を手に取って、リヴァイはそのペニスをつんつんと突く。
「あっ、リヴァイさん……!」
 腰を引いて逃げようとするのを、足首を捕まえて引き寄せた。
「ほらお膝の上に座ってみろ」
 脇の下に手を入れて、その体を胡坐をかいた膝の上に座らせる。皮も捲れていないエレンのペニスと、完勃起して血管の浮くリヴァイのペニスが重ねられると、その光景は白昼夢のようにグロテスクだった。
「エレンどうだ? 大人ちんちんと子どもちんちんの違いが分かるか?」
 大小のペニスをひとまとめにして、若い肌を楽しむようにエレンの肉にリヴァイのたぎりを擦り付ける。まだ精通していないとはいえ、神経の集まった器官を刺激されればしっかり快感を拾うのか、エレンの腰がびくびくと震える。
「んっ、リヴァ、いさんの、ちんこっ、のほうが、オレのより、……あっ! で、でかくて! 色も、濃くてぇ、ヒンっ、あ、あぁ! そこ、やらぁ、あ、あとはぁ、あつい! リヴァイさんのちんこ、あちい! 毛が、ざりざり、しててぇ、きもちい、いいよぉ! リヴァイさん、 あっ、」
 エレンが未知の快感に泣きじゃくりながら、きまじめに気付いたことを羅列していくのを、リヴァイも熱に浮かされた頭のままに聞いていた。だらだらと汗が流れる。あとで麦茶を飲ませなくては。脱水症状に気をつけてやらないと。エレンの猫毛が、うなじだけでなくこめかみにまで張り付いていた。前髪もずいぶん鬱陶しそうだ。リヴァイは手が塞がっていたために仕方なく鼻で髪を掻き分けて、その露わになった額にキスをする。
「たいへんよくできました」
 手の中は、すでに精液で白く汚れていた。

 しかして夏休みが終わった始業式、エレンの提出した自由研究は「紅茶のとびきりおいしいいれかた」だったという。














2017/9/16
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